●制作に必要なシステム構成「スキャナー」 |
デジタルでイラストなどを作成する場合、スキャナーは必要不可欠と言える。
ただ機種によって性能や価格にかなり差があるので、
ここでは同人誌向けという事に絞って、スキャナを購入する時にどこに気をつければいいのか?スキャナーの知識と共に知っておこう。 |
●スキャナーの色分解の仕組み |
紙やプリント写真などを、デジタルデータに変えるのがスキャナーの役割で、
一般向けのスキャナーは、カラー原稿の色を光の3原色のRGBに分解する。
印刷に使用する場合は、他のソフトを使ってCMYKモードに変換しなくてはいけない。 印刷会社やサービスビューローの使うスキャナーは、最初からCMYKモードで4色分解が可能。 |
●スキャナーの解像度 |
スキャナーの性能を決めるのは「解像度」 そして解像度も、他の機械の例にもれず、数値が高ければ高いほどいい。それは大体価格にも比例して高くなる。だから価格が高いものほど、解像度も高いと思って違いない。 では実際には、どの程度の解像度があればいいのか? その前にスキャナーのカタログに載っている「9,600×9,600dpi」などの数字が、何を示しているのか知っておこう。 スキャナーの解像度には「光学解像度」と「補間解像度」がある。 光学解像度とはスキャナーが読み取った通りの実解像度。このスペックが高いとその分キレイな画像が得られる。 補間解像度の方は読み取った画像を補正した解像度。その名の通りソフトウェアで補間している(間を埋めてるワケ)ので、数値は光学解像度より大きくなる。 けれど所詮は補正しているだけなので、画像自体の解像度は光学解像度以上にはならない。 簡単に言えば「補間解像度 9,600×9,600dpi」などカタログに表示されている場合、その解像度並みにキレイに見えますよ〜。って言っているわけだ。(女性が化粧しているのと同じ原理!) カタログなんかで比較する場合は、そのスキャナーの本当の実力である光学解像度で比べて選ぼう。 |
●読み取り階調 |
この「スキャナーの読み取り階調」にも画質は影響される。 モニター画面で見るだけならば、光の三原色であるRGBの各色8bit(256階調のコト)あればいい。 けれどもっと細かい階調で読み込んだデータを使えば、色の階調がキレイになり微妙な表現ができる。 RGBの各色が何bitあるかはカタログで調べておこう、 もちろん12bit(4,096階調)16bit(32,768階調) なんていう感じに数字が大きければ大きい程キレイな画像が得られる。 |
●スキャニングの技術 |
スキャンなんて機械が勝手にしてくれるもので、
技術なんて関係あんの?と思うかもしれないが、本当はこれが一番技術が必要なところだったりする。 たしかに家庭でモノクロの線画イラストや、web用の写真なんかだと技術はいらない。けれどカラー写真を印刷用に使いたい、と思っているならやっぱり素人とプロ差は出てくる。 (この場合のプロは技術と知識をちゃんともっている人のコト、入力できりゃいいってもんじゃない!)特に「色」の扱いというのは難しいのだ。同人やってる人なら絶対一度ぐらいは、原稿のイメージと違う印刷された人は多いハズ。 それがスキャニングの「技術の差」であって「料金の差」であると考えていい。 機械だけいいものを持っていても、技術や知識がないと最終的にはいいものが出来ないので、「色」にこだわる人はプロに頼む方がいい。ま、その分お金はかかるけどね。 |
●スキャナーの種類 |
フラットベット フラットベットは一番一般に出回っている。コピー機のように台に載せてスキャンするタイプのもの。 大概の一般ユーザーはこのタイプだと思う。価格も1万円台〜70万円台のものまで幅が広い。 光学解像度は300〜600dpiぐらいのものが、最も種類も多くて価格も手頃。 ちなみに、70万円台するスキャナーはプロ仕様で、光学解像度が1,200×7,200dpiもする。 値段が高いものは、それだけ性能もいいのは当たり前だ。 ドラムスキャナ 製版(印刷)のプロの使う機械。原稿を円筒形のドラムに巻き付けて、ぐるぐる回転させながらスキャナー(カメラ)で画像を読み取る。 このタイプはシャープで階調がきれいに表現され、解像度が5,000〜20,000dpiぐらいの画像の質が得られる。ドライバーが高性能だから、細かい設定がスキャナ側で可能になっている。 ただスキャニングに技術が必要なため、素人には扱えない。それにものすご〜く高価。 関係ないけど、私はこのものすご〜く高価な機械を壊した事があります。ふっ形あるものはいつか壊れるのさっ!(^^; フイルムスキャナ 透過原稿(リバーサルフィルム)を読み取るためのもの。写真を扱わない人にはほとんど関係ない。 |
●最終的にどんなものを選べば良いか |
「同人誌作成に使う」という前提の元でスキャナを選ぶ時をポイントをあげておく。 スキャナの解像度は「光学解像度350dpi以上」! 知っておきたいデジタル基礎知識「解像度と入力」でも触れたけど、画像の解像度は350dpiは必要なのでそれ以上を扱える機種じゃないと意味がない。その際も化粧(補間解像度)でごまかしている女は選ばないように、やっぱり中身(光学解像度)で選ばないと、人生色々と後悔する事になるよ? 読み取り領域は「最低A4サイズ 」! これは基本的に、原稿用紙が入力できるサイズだから。いちばん種類もいっぱいあるしね。 読み取り階調はRGBの各色8bit(256階調)以上! 8bitというのは、モニター画面に合わせた最低の読み取り階調なので。 本当は印刷に使うならせめて10bit入力ぐらいは欲しいところ。フルカラー画像を扱わないなら(モノクロ線画入力だけに使うとか)8bitでもいいけど。 ドライバーソフトにも気をつける! ドライバーソフトとはスキャナーを動かすソフト。 このソフトの出来も重要なのだが、実際使ってみないとわからない部分も多い。出来れば実際に使っている友人などに聞くか、 色にこだわらないわ。フルカラー画像を扱わないし。面倒だ。って人は素直に、簡単に入力できるソフトにした方が良い。 最近はソフトの性能も良くて、簡単入力でもいいのが沢山ある。 やっぱり選ぶ時は、カタログの数字をきちんと見てから選んだ方が良い。 衝動的に安いものを買うと、後で泣きながら締切りまぎわに新しい商品を買いに行くハメになる・・・かもしれない。 |
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